生徒指導士とは?

日本の教育を取り巻く生徒指導上の環境は、今日激変しています。いじめや学級崩壊、生徒間での暴力や対教師暴力、親対応など、さらに特別支援教育においても深刻な問題状況が起きています。教職員の専門性保証は主に教科などの免許取得によります。生徒指導についてはどうでしょうか。教育指導モデルに基づく生徒指導の専門性、つまり、専門知識と実務能力を兼ね備えた、自信と志を持って生徒指導に当たる教師の存在が求められています。生徒指導士は、生徒指導の専門資格です。本協会では、ポジティブで予防的な生徒指導の専門知識と実践能力を併せ持ったスペシャリストを養成・認定しています。

生徒指導士が学ぶこと

 今日、教育現場ではいじめ学級崩壊不登校など、深刻な問題を抱えています。そのような問題に対しては、これまでの問題が起きてから対応する対症療法的な生徒指導だけでは十分ではありません。問題が生じる前からあらかじめ生じないようにする、ポジティブで予防的な生徒指導ならびに問題行動が起きない質の高いポジティブな学級づくりが重要と言えます。本協会では、生徒指導に関心を持つ学生・院生・担任教師等を対象に、これまでの生徒指導にポジティブで予防的な観点を加えた「ポジティブ生徒指導」に関する最先端の確かな知見や専門技法を学ぶための専門講習を行っています。効果(エビデンス)が証明された最先端の解決ストラテジー(方略)の知識と、確かな情報に基づく専門的技法を学びます。そして、生徒指導の専門性を磨き、深刻な問題への対処能力や自信を身につけます。要件を満たす方には、ポジティブな立場からの認定生徒指導士・認定専門生徒指導士の資格認定を行います。

1 ポジティブで予防的な立場から「教育指導モデル」に基づく生徒指導の専門知識と実践能力(実務能力)を兼ね備えた力量・専門性を磨く。理論的根拠とそれを現場で適用できる実践力の2つの側面を身につける。

2 世界の学校教育の潮流である、教育指導的で予防的な生徒指導のあり方、特にPBIS(Positive Behavior Interventions and supports:ポジティブ行動支援)等の欧米の教育現場での生徒指導のあり方を学ぶ。

3 日本の教育現場でうまくいくPISA(Positive Interventions for School Attendance:登校へのポジティブな介入)モデル等のポジティブ生徒指導のあり方を学ぶ。

4 PBISやPISAモデル、ブリーフ学校カウンセリング、学校ハンドブック(ガイドライン)の作成や、対立解決教育、生徒行動コードの作成など、主たる生徒指導技法を実践し・修得する。

5 基本的品格行動の学習(あいさつ・礼儀・正直・勇気など)や、我が国の伝統文化に根付くポジティブ生徒指導のあり方、進め方を実践・修得する。

6 ポジティブ生徒指導に関わる教育診断の実施方法を学ぶ。教育診断によって得られたデータ、エビデンスを蓄積する。データベイス、エビデンスベイスのアプローチに基づく効果的な指導の施策や問題行動への対応方法を学ぶ。



以上の観点から生徒指導士を養成し、資格を認定します。学校教育に関わる人々のポジティブ生徒指導の力量を磨き、今日の深刻な教育課題を解決に導く支援を行うのが目的です。