ポジティブ生徒指導とは?

児童生徒の不登校いじめ学級崩壊などの問題行動に対して、それが起こる前から予測し、早期対応、予防、起きてからの対応に至るまでの対応を体系化した、ポジティブで予防的な段階的指導モデルです。それは、@教育指導モデル、A教育診断によるデータ収集、Bエビデンスベースのアプローチ、C問題行動を予防するよりよい学級づくり、C世界の生徒指導の潮流である欧米のPBIS ※等の最新の知見を参考にする、D現在の日本における学校の指導システムにより合致する生徒指導システム、という考えを重視し、基盤に置くものです。


ポジティブ生徒指導の中核に位置付けられるモデルとして
PISA(Positive Interventions for School Attendance:登校へのポジティブな介入)があります。

これは、児童生徒の登校力を高めることで、不登校やいじめなどの問題行動が起こる前からそれ

> を予測し、早期対応・予防・実際に起きてからの対応に至るまでの予防的・段階的な指導モデルです。

PISAは、以下の三部門から構成されます。

第1部門【教育診断部門】
  登校力を測定し不登校・いじめの予測が可能な「すてきアンケート」による教育診断、軽度・深刻な問題行動の実態診断
第2部門【問題行動の起きないすてきな学級づくり】 
  道徳指導により問題行動が起きない、ポジティブな質の高いすてきな学級づくりのための実践(ポジティブ道徳カード法・ピアリンクメディエーション法・解決焦点化アプローチ等)
第3部門 緊急3日間親子面談 
 欠席を始めてから3日間親子面談を段階的に実施する。この対応で、不登校は95%が回復する。これらの指導により、不登校・いじめが激減する効果が実証されています。

 PISAは、米国の多くの学校で実践されているPBIS(Positive Behavior Interventions and supports:ポ ジティブ行動支援)モデル※をもとに、わが国の学校に合わせて最適化したモデルです。

※PBIS(Positive Behavior Interventions and supports:ポジティブ行動支援)モデルとは  問題行動への段階的な予防的枠組み(Simonsen & Myers. 2014; 宇田・西口訳 2020)。児童生徒を3水準からなる層 (Tier l、 Tier 2、Tier 3)に位置づける。Tier1では、すべての児童生徒(100%)へのポジティブ行動の指導を実施。Tier2では、ポジティブ行動が少なく、問題行動が多い、気になる児童生徒 (約15%)への小集団での指導を実施。Tier 3では 、個別対応が必要な児童生徒(約 5%)への個別的または、小集団での介入・指導を実施。

参考文献

PISA研究グループによる、PISAに関する研究成果の紹介ページ
https://sites.google.com/view/pisa-positive-seitoshido/